機龍警察 :: 月村了衛

2019年9月2日

機龍警察

本書『機龍警察』は『機龍警察シリーズ』第一作目であり、アクション満載のSF仕立ての長編の警察小説です。

冒険小説、アクション小説が好きな人であれば必ず本書の面白さにはまるでしょうが、本格的なミステリーとは異なります。

警視庁の通信指令室より指令を受けた巡回中のパトカーが現場に駆け付けると、そこで見たものは「キモノ」と称される二足歩行型軍用有人兵器「機甲兵装」だった。

パトカーを一瞬で踏み潰した「機甲兵装」は江東区内を滅茶苦茶に走り回り、多大な人的物的被害をもたらした後、地下鉄有楽町新線の千石駅に停車中の地下鉄車両を人質に立て籠ったのだった。

コミックやアニメで人気を博した「パトレイバー」を思い出してもらえれば本書『機龍警察』のイメージの一端がつかめるとは思いますが、物語の重厚感、濃密感はかなり異なります。

本書『機龍警察』のユニークさは単に装甲騎兵というその設定だけにあるのではありません。

機龍警察シリーズ』の各巻において物語の中心となる人物が異なるという点においても異なります。

例えば、本書『機龍警察』では龍機兵の操縦者である姿俊之の人物像を中心に描かれますし、次の『機龍警察シリーズ』第二巻『機龍警察 自爆条項』では同じく操縦者のライザ・ラードナー警部が中心です。

そして、第三巻の『機龍警察 暗黒市場』ではユーリ・オズノフ元警部が物語の中心となり、世界で起きているテロや地域紛争などを背景にした物語が展開されるのです。

このように、「龍機兵(ドラグーン)」と呼ばれるパワードスーツの操縦者として選ばれた姿俊之ユーリ・オズノフライザ・ラードナーの三人や、彼らの属する警視庁内の特捜隊部長の沖津旬一郎城木宮近といった理事官らの活躍を描いた本書『機龍警察』を第一巻とする『機龍警察シリーズ』は、読みごたえのある作品となっているのです。